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コリログ

青コリが書く雑文。ブラゲからガジェットまで

オプジーボ(ニボルマブ)が何故効くのか図解する。

医療 医療-ニボルマブ

オプジーボ(ニボルマブ)という薬

小野薬品(株)が開発し販売した抗がん剤ニボルマブことオブジーボが世間で話題だ。一年間使用すると3500万円ととんでもない費用がかかるというのが話題になっている。しかも、その薬を今2000人以上使っていて、今後さらに適応疾患を拡大していくというのだから小野薬品はウハウハだ。現に株価は以前は5000円だったのが25000円(現在は5分割され5000円台)にまで上昇していて利益もとんでもないことになりそうだ。しかし、金額面だけが強調され、この薬の革新性というものについてはそこまで一般にあまり理解されていないような印象を感じているので少しイラスト屋さんのイラストを交えながら紹介する。

従来の抗がん剤治療

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                   抗がん剤                                      がん細胞

オプジーボ(ニボルマブ)について話す前に少し従来の抗がん剤治療の一般的な話をまとめます。従来の多くの抗がん剤はがん細胞の細胞分裂が通常の細胞よりも激しいことに注目した薬剤が主流でした。つまり、細胞分裂している細胞を攻撃する薬です。しかし、正常の細胞も生きるために細胞分裂していますので、抗がん剤に攻撃されてしまいます。特に細胞分裂が激しい毛包や骨髄という血液の工場が攻撃されてしまいます。そのため従来の抗がん剤は毛が抜けてしまったり、白血球が減少するなど様々な副作用が問題となっていました。そのため治療に耐えれなくなり、治療を断念せざる得なくなってしまう方も多い薬です。人類の天敵とも言うべき癌を完璧に征圧するためには副作用が無く、がん細胞だけを効率的にやっつける理想的な抗がん剤開発が2000年代初めより加速していきます。特定のがん細胞にだけ発現している分子を狙う分子標的剤というものも開発されましたが、癌の種類は星の数ほどあります。それぞれの癌に対応した分子標的薬を作れれば良いのですが現状は分子標的剤は使える癌が限られているのが現状です。

 

正常免疫

 

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                  免疫細胞                                        がん細胞

 癌が出来たらそれを止める術を人類は持っていないのでしょうか?実は、そこまで人は弱くありません。人の体には癌細胞を見つけるとやっつける免疫細胞が存在します。自費治療で血液のNK細胞という免疫担当細胞を回収して培養して血液に戻すという治療を行ったりする治療が癌に悩む一部のお金持ちや弱者からの搾取モデルとして流行りました。免疫療法と聞くとうさんくささを感じて顔をしかめる医者が多いのはそういう歴史がベースにあるのです。

 

ニボルマブの作用機序

 

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話がそれたので元に戻します。免疫担当細胞が体をパトロールしがん細胞を見つけては処分していますが、がん細胞も負けてはいません。免疫細胞から隠れるために色々と物質(サイトカイン)を分泌したり色々な手段を用いて巧みに免疫細胞を欺きます。

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または、癌が進展しやすいように免疫細胞を手玉に取ります。

 

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しかし、このがん細胞の免疫細胞に対する不正を暴く事が出来る薬が昨年登場しました。

それが前述の超高い抗がん剤オプジーボ(ニボルマブ)です。このオプジーボ(ニボルマブ)という抗がん剤のすごいところは特殊な癌特有の物質を標的とする薬ではないので一つの薬であらゆる癌に効果が期待できる可能性があるということです。しかし、ある意味免疫を暴走させる薬ですので糖尿病、甲状腺絹低下など自己免疫疾患(リウマチなど)に似た症状がオプジーボ(ニボルマブ)の副作用として出てくる可能性があることもわかってきています。しかし、今まで抗がん剤がほぼ効果無かった悪性黒色腫というほくろの癌に対してもオプジーボ(ニボルマブ)は約半数以上で効果ありと報告されているなど期待値は半端なく高いお薬です。

 

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また、現在さらに免疫細胞をさらに詰めて働かせる免疫をブラック企業並に暴走させる治療の治験もはじまっていてオプジーボ(ニボルマブ)単剤よりも成績が良好とも言われています。

 

最後に

オプジーボ(ニボルマブ)は過度な期待はしてはいけないことがわかっていますが期待してしまう全く新しい抗がん剤です。

 

注意

専門的な話をなかり砕いています。興味がある人は公式サイトできっちり読みこむことをお勧めします。

www.opdivo.jp

www.irasutoya.com

 

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