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コリログ

青コリが書く雑文。ブラゲからガジェットまで

証人の乱 当日編 その1

Ingressーネタ Ingress

新しい朝が来た。希望の朝が。そんなラジオ体操第一が流れてきそうな快晴の朝。そう証人の朝である。希望に溢れるべき朝なのだが僕は絶望していた。ほとんど寝れていない。昨夜は興奮して寝れない心配をしていたがそんな心配は不要であった。そんんな心配を嘲笑うかのような午前0時のお電話。逢いたくて震える西野カナとは違い、朝までに間に合うのかで震えていた。そして夜を徹し仕事。つまり、仕事で寝れなかった。このまま寝たら遅刻である。寝たら死ぬぞ。どこかの雪山遭難の漫画で定番であり、かつ、フラグな台詞が頭の中に響き渡る。では、この睡魔との落とし所はどこでつけるべきか?

 
電車で寝る。
 
これしかない。近頃、スマホには急速充電機能がついたらしい。しかし、僕には数年前より昼間起きているのが辛くなり一気に眠りに落ちる、そして、その後元気になるという急速充電機能が実装された。ブラック企業で身につけた唯一のスキルがどこでも人目をはばからず寝ることができるという機能なのは非常に皮肉であるがそれが適応というものである。火星でゴキブリとやりあうためにはスズメバチなど昆虫とテラフォーミングする必要があったが、ブラック企業で世間の理不尽とやりあうためにスマホテラフォーミングしてしまったのだろう。話はさらに脱線するが嫁は僕とテラフォーミングすると蕁麻疹が出る。
 
話を戻そうブラック企業に適応するため僕は社畜テラフォーミングした。しかし、その代償として一般社会には対応できていない。僕から見れば一般社会はブラック企業よりもブラックだ。青から見れば緑が敵、緑から見れば青が敵。多分、正義というものは相手側から見ても正義とは限らない。
 
ちなみにこの眠気が昼間襲ってくることを友人に話したら、その旨をそのまま問診票に記載して耳鼻科へと言われた。某はてなではプリントアウトして精神科へというコメントが日常的に多用される。よもや、それと同じようなことが現実に言われるとは意外であった。
 
とりあえず、京阪電車の特急に乗る。そして僕は眠りについた。そして祇園四条できっちり目が覚めた。システムはオールグリーン、服もオールグリーンである。
 
そして、京阪電車をおり、目的地である円山公園へと向かう。明らかに雰囲気がいつもと違う。青と緑のおっさんの群れが歌舞伎座から円山公園に向かって所々で澱みを形成していた。桜を見に来たとは当然違う、またアイドルやアニメ寄りだがそれとはまた異質の何か。なんともアンタッチャブルな群像。きっと、一般ピープルにはそう思われているにちがいない。
 
また、そのおっさん達は青と緑に非常にデリケートな人種である。全身緑な僕は筋の人だ。久々に思った視線を感じるという感覚。普段は闇に紛れて生きる如何に目立たないように、如何にしてザクになりきるか。如何に上司に責任を被せるか。安全地帯から手斧を投げる。そんな生き方の僕が選んだ本日限りの日の当たる道。人生長いそんな日があってもいい。そう思い歩みを早める。
 
すると業務連絡が入る。弁当を確保せよ。
 
今回の所属チームは30名。小学校ひとクラス分である。それが何組もあるようだ。もはや、おっさん達の修学旅行である。年末の東京での戦いは5000人近く集まったようだが、今回はそれを超える人数が集まるのでは?そんな憶測まで飛び交っている。それが、青と緑に分かれがちのバトル。修学旅行先で地方のヤンキーとやりあう。そんな、昭和ロマン、いや若かりしあの日純朴な童貞野郎だった少年達が憧れていたシチュエーションが擬似的に行えるイベント。現実ではハゲ散らかしていてもスキャナーの中ではリーゼント。それが証人。せめてもの申し訳程度にボンタン代わりに青か緑に身を包む。
 
しかし、ここに来るまで僕は半信半疑だった。こんな関西まで遥々有給とってゲームの為に参加する人なんてそうそういまい。と思っていた。それは甘かった。チーム構成の関西勢は半分くらいであとは東京からの遠征組だった。おっさん達が有給をとり現地に赴くゲーム。消費が多い若い女性を狙え!が販売の鉄則であり、ルールだったがその世界の法則が歪んだセグメントが動いている。この消費行動はマーケティングをやってなくても非常に興味深い。そのうちポータル入り老人ホームとかはとバスツアーとか売り出されるのではなかろうか?そんなことを思っていた。
 
話を戻そう。30名の弁当確保である。事前に偉い人がやってくれたのでせめて運ぶことぐらいは手伝おうそう思い集合場所へ。
 
当然、ほとんどの人が初対面。名刺で挨拶それがサラリーマン。しかし、今日はエージェントである。スキャナ画面を見せて挨拶。そこでエージェント独特の言い回しが始まる。
 
一般的にはご高名はかねがね伺っています。
 
などが当たり障りない挨拶だろう。しかし、エージェントは違う。
 
レゾでいつも拝見しております。
 
これが定番の挨拶である。僕らも例に漏れず、そのような挨拶を交わした。世間一般では初対面の方にはアイスブレイクという歓談時間があるが、今日のアイスは異様に早く溶ける。やはり共通の趣味は強力だ、しかも、ここに来ているということは相当好きものである。お見合いの釣書にある音楽鑑賞、映画鑑賞とは好きのレベルが違うのだ。嫁に愛想を尽かされて再度お見合いすることになったら釣書にはIngressと記載しよう。あと、毛髪は少し多めに加工しよう。そう心に誓いながら弁当を受け取りに知恩院へと向かった。
 
続く