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コリログ

青コリが書く雑文。ブラゲからガジェットまで

ビタミンCが風邪の予防に効果があるかは実はまだ結論が出ていない。

医療 医療-栄養学

レモン味のホット飲料がコンビニに並ぶ季節です。世間一般の認識としてビタミンCは風邪にいい、喉に効くというイメージが刷り込まれています。しかし、それ本当?という疑問が湧いてきた。ので調べてみると割とドラマが隠れていました。

 

ビタミンCと風邪の歴史

http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/db/Pauling.jpg/225px-Pauling.jpg

ビタミンCと風邪に関する歴史は古く1940年代から行われていた。その中で特記すべき成果を出したのは1970年に出版されたノーベル化学賞と平和賞を獲得していたLinus Pauling著のVitamin C and the Common Coldeだろう。1g/日投与で風邪が予防することができる。そうノーベル賞をとった偉い先生が言えば信じたくなるのが民衆です。しかし、研究者は偉い先生が言えばねつ造では無いかと勘ぐります。事実、Vitamin C and the Common Coldはあまりにもお粗末なSTUDYデザインであった。(スキーキャンプに参加した子供が対象であった事など)そのため、多くの研究者の反証実験などを行いで議論は混迷を極めた。 

 

1966年にポーリングは生化学者のアーウィン・ストーンから高用量ビタミンCの概念を知り、風邪の予防のために毎日数グラムのビタミンを摂り始めた。その効果に興奮したポーリングは臨床文献を調査し、1970年に「ビタミンCと感冒」を発表した。1970年、ポーリングはイギリスの癌外科医ユアン・キャメロンと長期間の臨床協力を開始し、末期癌患者の治療にビタミンCを点滴及び経口投与した。キャメロンとポーリングは多くの論文のほか、彼らの研究成果を扱った一般書「癌とビタミンC」を執筆した。Moertelらがメイヨー・クリニックでプロスペクティブ試験、無作為化試験、プラセボ対照試験を3回に渡り行ったが全て失敗し、超高用量のビタミンCの投与が癌の患者に効果があるという証明は得られなかった。これに対しポーリングは Moertel が出した結論と最後の試験の取り扱いについて「詐欺にして意図的な誤りである」と公然に非難した。ポーリングは未公表だった試験の詳細を少しずつ暴き、数年後に2回目のMoertelの癌試験の不備についての批判を発表したが、彼の傷ついた名声を翻すことは出来なかった。このMoertelとの確執が生んだ悪い評判は、ポーリングと彼のビタミンC研究の信用を低下させた。ポーリングの反論も空しく、この3回の臨床試験の結果は癌治療での高用量のビタミンCの効用に反対論を与えた。ポーリングは1950年代の地上核実験の撤廃活動以来常に政治的・社会的に危険と隣り合わせの状態だったが、この1985年のMoertelとの対立により、彼は機関資金源や学術的な支援、一般社会の評判を失った。その後、ポーリングはカナダ人医師のエーブラム・ホッファーと共同で高用量ビタミンCを含む補助癌治療としての微量栄養素の投薬に関する研究を行った。

それから半世紀が経過したビタミンC論争の今

ビタミンCは相変わらずの人気者です。抗酸化という加齢キーワードが大流行している今ビタミンCの持つ抗酸化作用は研究者のみならず女性からも熱い視線を向けられています。風邪の予防に対する研究はやや下火になっているようですが、散見されます。

しかし、まだ結論は出ていません。

 

Vitamin C for preventing and trea... [Cochrane Database Syst Rev. 2013] - PubMed - NCBI

様々な論文を解析した出た結論はビタミンC投与は効果があるとはっきり言えない。

 

Mega-dose vitamin C in treatment of the common co... [Med J Aust. 2001] - PubMed - NCBI

ビタミンCを3g/日まで投与した論文。有意差はみられなかったと結論。

 

結局、ビタミンC摂った方が良いの?

これは間違いなくイエスです。コラーゲンの生成、ビタミンEの修復、抗酸化作用など様々のメリットがあります。一般に水溶性ビタミンといわれるビタミンCですが過剰摂取すると尿路結石になったり下痢を起こしますので注意が必要です。